2012年11月25日日曜日

「嘉例川だより」という樹の植樹祭。

築110年を超える(1903年(明治36年)1月15日に営業を開始)駅舎で知られる嘉例川駅の近くにある中福良小学校の恩田由起子先生が3年かかって作られた美しい曲(樹の苗)「嘉例川だより」を嘉例川地区に植樹する旅をしてきました。

日本の霊峰・霧島連山の麓谷「嘉例川」で恩田先生によって産み落とされたこの曲が「歌い継がれていってほしい」と私は心の底から強く思いました。しかし私に出来るのは、この美しい曲(苗)を植樹するお手伝いだけです。

植樹祭が終わったら(CDが完成したら)曲が根付いて「自力で大きくなる力をつけるまで」私は遠くから「付かず離れず」見守っていくことしかできません。

中福良小学校で本当に「初めて演奏したとき」の映像。
http://youtu.be/e5bvUksTjD8




この地球では一年間に100万曲を超える新曲がリリースされます。しかしそのなかで歌い継がれたり、残っていく曲は10,000分の1もありません。音楽は放っておくと朽ち果てて消えてしまう「儚い生き物」なのです。

樹が根付いて、中福良小学校の校庭の栴檀の巨木のように大きくなり唄い継がれるためには、地元の皆さんが水をやり、追肥をし、ときに枝をはらい、大雪や大風が来れば折れないように支える必要があります。

この樹を大人が見上げて物思いに耽ったり、子供たちが囲んだり登って遊ぶようになるにはきっと30年以上かかるでしょう。

どうぞ皆さんで見守ってあげて下さい。
恩田先生、おめでとうございました。
このような機会をありがとうございました。


補記:
なお、この録音やお披露目に至るまでの作業は、養護教諭山元知子先生はじめ、中福良小学校職員の皆さん、私による編曲と演奏や録音、歌い手の小城勝一さん、山下まさえさん、サックス奏者の中園亜美(Ami Nakazono)さんの演奏など全て、関係者ご家族のボランティアによって支えられています。(CDプレス工場に支払う実費全額と種子田の旅費(東京鹿児島間を一往復)の一部は、恩田先生の「私費」で賄われます)。

嘉例川駅:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%89%E4%BE%8B%E5%B7%9D%E9%A7%85

忌野清志郎氏の遺作となった「Oh!RADIO」に使用された嘉例川ロケ映像。


2 件のコメント:

  1. 嘉例川について調べようとして、検索していたところ、どなたか(たぶん地元の人)がアップしたYou Tubeにたどりつきました。いかにもローカル駅のイベントという素朴な雰囲気の中、突然流れ出したイントロに驚愕。「う、サックスうまい、何で? どうして?」と釘づけ。そしてボーカルが入ると腰を抜かしそうでした。
    しかしその名演奏を超越した曲のすごさ。繰り返し繰り返し聞きました。仕事中も頭の中をぐるぐる。

    中でも、泣きそうだったのが合唱です。体育館(?)で地元の方々が総出で奏でるハーモニー。どんなに練習したって、どんな名指揮者が指揮をしたって、こりゃ、適わないですよ、このパワーには。

    曲のことが知りたくなって、いろいろ調べました。
    その過程でこのサイトに出会いました。

    音楽の感動を思い出した気分です。
    有名になるなんてことは地元の人は誰も望んでいないでしょう。でも、過疎化が進むあの場所から一人離れた時、いつも心を支えてくれる歌であるはず。それは、誕生した歌にとって何よりの喜びでしょうね。

    帰りたくなりますよ、あの場所に。
    関係ない私まで帰りたくなりました。

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  2. たいへん好意的なコメント、ありがとうございました。

    誰かが演奏し続けることによって、この曲は生き残っていくでしょう。しなければ消えてしまうでしょう。

    これからも嘉例川地区が美しく元気であるように、微力ながら何か出来れば良いなと思っています。

    匿名さんも帰省したり、地域の皆さまと触れ合う機会がありますように。

    ありがとうございました。

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