2013年12月31日火曜日

2013年が終ります。今年もありがとうございました。


今年は自分が音楽の道に進んだ(プロになった)切っ掛けになったあのひとが亡くなったという大きなマイルストーンの1年になりました。あのときあそこから広がった枝葉と根っこがいまの自分を形作っているということは疑いようもない事実です。僕が初めて長い海外ツアーや大ホールで演奏する切っ掛けをくださったのは、当時のバンドで共演させて頂いていたピアノの佐山雅弘先輩でしたしね。

あのひとの楽団を離れてから、いろんなところで仕事をして来たけれど、あの人には時々誘われてライブに参加することがありました。とても嬉しかったです。特に自分の調子が最悪の時期のこと、あのひとに誘ってもらったライブが励みになって乗り越えることができたことを深い感謝と共に思い出します。たぶん僕の事情を分かった上でやってくれたことなんだと思います。

この年末になって「あのひとと縁」のあるメンバーが集まるチャンスがありました。みんなで演奏してみたら・・あのひとが生きているような、そこにいたときの音に、そのままの音になりました。あのひとが1年間に250日演奏して叩き上げたバンドの音ですもんね。これから私たちは時々理由を作って集まるのかもしれません。集まろうとしなければだんだん記憶も思い出も薄れていってしまうでしょう。各バンドメンバーが「あのひとがいたという事実」を残していく責任を感じ始めています。少しずつ。

思うところたくさんありますが。
年が明けたら気持ちも新たに、自分が何をしたいのか、何を作りたいのか、どんな音を出したいのか。ハッキリしてくると思います。
皆様ありがとうございました。
良き新年をお迎え下さい。

2013年12月31日
種子田博邦
 ギター成瀬くんとライブ主催の愛ちゃん。
 大阪。思い出のひかり。
 いまサックスのAmiちゃんのバンドを手伝っている。あちこちにポスターを配ってまわってます!みんなキテネ!
 旅。また旅。

夜のハイウェイ。何百回目だろうか。



バカなことやって和んだり。
助手席から石井さんを眺めてみたり。
イットさんに再会できたり。
機材車のスキマで寝ながらハイウェイを突っ走り。
敏腕編集者の中村くんは新たな門出を迎え。
疎遠になってたRyumaroくんに再会できたり。
こんなに長年のお付き合いなのに、佐山さんと初めてツーショットの写真撮ったり。
サービスエリアで美味しいもの食べたり。
あのひとが集めたメンバーでCD制作したり。
バカをしつつ。旅、また旅。
ギターの濱中祐司、ゆーじさんと!
伝説のドラマー。敬愛する上原"ユカリ"裕さん。
旅は続きますね!また来年あいましょう!

2013年12月25日水曜日

My Favorite Things 私のすきなもの

僕にとってポテトサラダとハム、ソーセージは1、2を争う大好物です。冷蔵庫に入っていたら、必ず全て食べ尽くします。
なじみの街に「ポテトサラダ専門店が出来たってよ」と聞いて「それはまるで俺のための店」「まさにオレの食品庫かも」と勢い込んでさっそく行ってみました。
 なるほど正しくはポテトクリーム・オードブルというジャンルを店主が考案されたんですね。フワフワのポテサラというよりはトロ〜リポテトクリームの上にオードブル(いまのところ5種類)がトッピングされています。大きさは大きめのアイスクリームカップくらい。肝心のポテサラは夢中で食べてしまい写真を取り忘れたのでこちらのリンクからどうぞ。http://ameblo.jp/jiyugaoka-net/entry-11733052533.html
 店主さんは元々デザイナーさんだったそうですが、この食べ物を広めたい!という思いが高まってついに出店(起業)されたとか。どうりでセンスのいい内装やロゴ、小物たちでした。美味しかったです。パンやワインもあります。クリスマスは、忙しかっただろうなあ・・。

さて関係ないけど家に帰ってから飲んだワインが美味しかったのでメモ。コスパ高し。優秀。99west pinot gri 2010
もひとつ。美味しかった花良治胡椒。喜界島のちいさな集落でとれるという幻のみかんと島塩でつくられた柑橘風味がすばらしい胡椒です。ちょびっと舐めながら黒糖焼酎なんて最高。飲み過ぎ注意。

いよいよ今年も終わります。
ライブはあと2本。
いい演奏したいです。
素晴らしい来年に繫がりますように。

2013年12月21日土曜日

語るよりもっと伝わる魔法

六本木のクラブ「エレクトリック神社」にて。Chiyo-PonはChiyoTiaとPONTA、濱中祐司の3人ユニット。ますます素晴らしいかったよ!

ポンタさん快心のタム回し!

Chiyo-Tiaちゃんのの癒しオーラはどこまで大きくなるのか。
しばしハワイに連れて行ってくれてありがとう!

さて、ついでにポンタさんと打ち合せです。大阪の結ちゃんのレコ発ライブは村上"PONTA"秀一、佐山雅弘、石井康二、種子田博邦、成瀬明で行われます。伝兵衛さんプロデュースのレコーディングメンバー。ポンタさんに譜面を渡して、内容を確認して準備完了です。あとは当日を待つばかり。

バンドの譜面なんて・・サラサラッと・・。と軽く請け負ってみたものの。
オリジナルがほとんどで。枚数は膨大。(このくらい書いておくと、このメンバーならだいたい初見でOK!)

ちょっとだけ真面目なハナシ。
この「コード譜」システムはとてつもない魔法を持っています。

楽譜にAm(エーマイナー)って書いてあるとしましょう。
たったの二文字、でもそれはその文字を書いた人の全ての物語が詰まった分厚い自叙伝みたいなAmなんですね。何百もあるコードから選ばれた、たったひとつのAmなんです。

その楽譜を別の人が読んで演奏するとき、書いた人の意図とかバックグラウンドを理解してもらって、どういう風に演奏するのか、音符の積み上げはどうするのか、「人生」語ったりとか膨大な説明と確認(コミュニケーション)が必用になるんだけど。

コードシステムはそれを全部すっ飛ばす(省略)ことができるんです。演奏者各自が「じぶんが得意なAm」「俺のAmの歴史」に置き換えるという凄い仕組みなんです。

もちろん、普通の楽譜のように「音符の玉を全部」書いたほうがいい場合もあります。クラシックプレーヤーのように高度な読譜力を人にとっては音符ひとつひとつが「物語」だから。もっと深いところでコミュニケーションがとれるからです。それはもっともっと素晴らしいことです!

音楽家の頭の中は人それぞれが大きく違うから、お互いに歩み寄ったり勉強しないと、深い部分が解りあえない。誤解もふえる。時間もかかる。それを救ってくれる最高のツールが「譜面」ということです。でも僕が覚えたのは30歳のときだから(笑)「おまえが言うな」なんですけど。

さてと。
いま、宅配便が届きました。地鶏!。これはたまらん・・・!。ありがたい。
おっとコードのはなし・・・。

この地鶏は大きな大きな『嬉しい』をパケット圧縮した凄いコードだね。
今夜伸長して『嬉しい』に変換します。^^/


最後に・・・

濱中祐司氏
「エレクトリック漫談」(笑)

いつかどこかで、お楽しみに!
(あのう、オレと演奏する時もこういうふうにちゃんとオシャレしてください!)

2013年12月18日水曜日

俺はそんなに簡単に感動なんか、しない

先日ライブで自分が出演した次のステージで、ギタリストの秋山一将さんのバンド演奏に触れる機会があったのでメモを残したいと思います。素晴らしい内容だったからです。そしてミュージシャンである僕にしか出来ない分析と言語化があると思うから。もうひとつ、音楽家が「メッセージを伝える」って、こういうことだと改めて突き付けられたような気がしたから。

秋山さんはリズム&ブルーズ、ソウル、ジャズが自由に刺激しあっていた80年前後(フュージョン黎明期)に活動の最初のピークを迎えた「名ギタリスト」です。かなり早い時期に(二十歳前後の1978年)アルバムも発表していらしたのでキャリアは40年くらいということになります。天才の呼び声高く、日本で最初のエレクトリック・ギターヒーローの1人です。

1978年ってどんな音楽が巷に流れていたかというと・・歌謡界はキャンディーズが引退しピンクレディーに染まりサザンオールスターズがデビュー、ロックではQueenがJAZZというアルバムを出し、スイングジャーナルの金賞は「クンビア&ジャズ・フュージョン」でチャールス・ミンガス。企画賞に渡辺貞夫さんのカリフォルニアシャワーですよ。根拠のない勢いに満ちた世の中。

その後、景気はさらに上向き音楽は軽くなり、マイルズチックが電気楽器バンドで復活したり、ギタリスト諸君はジョンスコフィールドにショックを受けたり、ハービーはDJと踊る、ジャズは迷走しコンピューター音楽やワールドミュージックに答えを求め、逆に温故知新とばかり学究に向かっていきます。ご存知のあの浮かれた時代を迎えます。

僕が東京に出てきたのは1990年代の終わり頃ですが、秋山さんのお噂だけは風に伝え聞くことが何度もあり・・その調子はいまひとつ(なんてもんじゃなく)良くなかったようでした。秋山さんは、景気のいい時代ずっと世の中に背中を向けていらしたんじゃないかな。その強固な本能に従って。

時は流れて2013年の終わり。目黒区学芸大学のライブハウスにて。

秋山さんの演奏は秋山さんの「人生そのもの」でした。

頭の中で鳴っているサウンドを盤石のメンバーから引き出して、ギターはとても少ない音でひとつひとつ音を紡いでいく。後期マイルス・デイヴィス グループを思わせる浮遊感。(ドミナントコードの拡大解釈、ポリコード、トーナルセンターシステム)

秋山さんの訥々としたフレーズはLess is more。ピアノの森下滋は理解が深く攻守共に手厚い。リズム隊はJazzとR&Bを見事に忠実に踏襲してみせる。


が、それは序章だった。待っていたのは「ボーカルナンバー」だった。

Trashmen didn't get my trash today
Oh, why? Because they want more pay
Buses on strike want a raise in fare
So they can help pollute the air

But that's what makes the world go `round
The up and down, the carousel

Changing people, they'll go around
Go underground, young man
People make the world go `round

Wall Street losin' dough on ev'ry share
They're blaming it on longer hair
Big men smokin' in their easy chairs
On a fat cigar without a care

But that's what makes the world go `round
The up and down, the carousel
Changing people, they'll go around
Go underground, young man
People make the world go `round
(PIR/Philadelphia International Records)

今日はゴミの回収者が俺のゴミを持っていかなかったよ
何故かって?今の給料じゃ「やってられない」って
スト中のバス会社は運賃値上げを叫んでる
そうして、もっと公害を撒き散らしたいって

地球が回るって言うことは、そういうことなんだ
上下して、まるでメリーゴーラウンド
とっかえひっかえ人を乗せ換え、回りっぱなしのメリーゴーラウンド
地下だって見ておいでよ
こうやって地球は回っていくんだよ

ウォール街では株価が下がり、毎秒損している
やつらは髪が長くて、リラクゼーションチェアでふんぞり返り
暇さえあれば高級シガーを吸いまくっている
連中のせいにしているけど

地球が回るって言うことは、そういうことなんだ
上下して、まるでメリーゴーラウンド
とっかえひっかえ人を乗せ換え、回りっぱなしのメリーゴーラウンド
地下だって見ておいでよ
こうやって地球は回っていくんだよ


「ギャンブル&ハフ」が公民権運動の時代に書いたメッセージソング
"People make the world go around" (The Stylistics/1969)だ。

秋山さんの声は嗄れてまるでトムウェイツみたいに歌う。
素晴らしい。


最後の曲は照れくさそうにキャロルキングの
"Will You Still Love Me Tomorrow?"

Tonight you're mine completely
You give your love so sweetly
Tonight the light of love is in your eyes
But will you love me tomorrow?
Is this a lasting treasure
Or just a moment's pleasure?
Can I believe the magic of your sighs?
Will you still love me tomorrow?
Tonight with words unspoken
You say that I'm the only one
But will my heart be broken
When the night meets the morning sun?
I'd like to know that your love
Is love I can be sure of
So tell me now, and I won't ask again
Will you still love me tomorrow?
So tell me now, and I won't ask again
Will you still love me tomorrow?
Will you still love me tomorrow?
Will you still love me tomorrow?



「明日も同じ気持ちでいてくれる?」
会場では涙を流している人がたくさんいた。

音楽家だって俺だって世の中にいろいろ言いたいことはある。意見を伝えたい。物申したい、書きたい、叫びたい、人生について語りたい。じゃあそれをMCで言うのか。メガホンを持つのか?それなら音楽要らないだろ?って常々自分の「のどの奥に刺さった骨」が気になっていたんだけど。

秋山さんは独り黙々と、手品のように魔法のようにやってのけた。

みんな、秋山さんを「ああ懐かしい」とか、昔ライブ見たことあります、とか、CD聴いたなあ・・なんて言ってないで、今行って見て聴いてぜひ握手してきてください。

2013年のおわりに、こんな秋山さんのライブに触れることができて嬉しかった。
すべての巡り合わせに感謝します。



さて、、、自分のライブだ。




秋山一将(あきやまかずまさ)公式サイト
http://www7a.biglobe.ne.jp/~encore/akiyama/

参考
http://32970.diarynote.jp/?day=20111116
「ギャンブル&ハフ」の解説は吉岡正春さんのソウルサーチンがお勧めです。

対訳 http://fullforcegale.at.webry.info/200804/article_9.html

2013年12月2日月曜日

近況。2013年の師走を迎えて。

 11月は良いことも沢山ありましたが、ツライことが続きました。胃が痛くなって目眩が止まらなくなって「負けていられるか」と歯を食いしばったものの、結局は人に会ってグチや涙をこぼすことで救われました。
 秋のなごりです。
 「最後の一葉」といえばO Henlyの短編。
東京モーターショーの基調講演(MITメディアラボの伊藤所長)(佐治晴夫教授)やパネルディスカッションを聴いた。
小学校や中学高校の同窓生と会ったり。みんな立派に活躍していて「なにくそ!」と思います。お世辞もハッタリもない仲間と話すと元気が出ます。

音楽はもちろんいつも通りやっています。11月まで広告の仕事や請け負ったアルバム制作が多かったので、特に告知しませんでしたが、やっと自分の活動を充実させられると思います。あと中園亜美(Sax)さんのバンドもライブツアーがあります。

忙しい12月ですが、風邪ひかないように頑張りましょう!皆様も。


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当ブログにて、2013年夏以前に投稿した写真が全て表示されなくなっています。これは旧いアルバムをすべて削除したことによるもの(手違い)で、ご覧になっている皆様のブラウザやPCの 不具合によるものではありません。遅々と気まぐれに順次復旧させていきますので、ご承知おきのほどよろしくお願いいたします。
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